探偵がゴミ漁り?探偵の調査方法「ガーボロジー」を解説

ガーボロジーという言葉をご存知ですか?

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、探偵業界では調査方法の一つとして用いられる事があります。

今回は、ガーボロジーって何?という方に向けてガーボロジーの概要からやり方、注意点まで解説します。

今回の監修:全力探偵社さん

全力探偵社・藤原さん
東京に拠点をおき、その確かな実力と依頼者と向き合う誠実な姿勢で数々の依頼を解決に導てきたキャリア20年のベテラン女探偵

依頼者と向き合って20年!全力探偵社さんに【探偵業界のリアル】を聞いてみた。

ガーボロジーはゴミ漁りのこと

ガーボロジーは、簡単に言えば「ゴミ漁り」のことです。

ワトソン
ワトソン

カラスが毎朝やってるアレですね(笑)

そもそもガーボロジーは、考古学者によって行われていた調査方法を発展させたものです。考古学者は、文化や生活を推測・考察するために遺跡から発掘物を持ち出しますが、この行為を「ガーボロジー」と言います。

現代では、探偵やジャーナリストなどが情報を集めるためにこの調査方法を用いています。

昔、親子鑑定にあたって、どうしても子供のDNAサンプルが必要になり、ゴミの中から「オムツ」をゲットしたことがあります…💩

ガーボロジーのやり方

やり方はシンプルで、企業や個人が出したゴミを回収するだけ。

簡単そうに見えますが、いかに効率的に行えるかが、探偵のテクニックになります。

個人が対象の場合

個人が対象の場合は、まずその人が住んでいる地域のゴミ捨ての指定日を把握します。
目当てのものが捨てられそうな日に対象者の自宅を監視し、対象者がゴミを捨てたら、本人はもちろんご近所さんにも気づかれないようにゴミ捨て場からゴミを回収します。

そして、その中身を一つ一つ確認し、情報を収集して行きます。

これを、必要とする情報が得られるまで継続します。

ただ、マンションの多くはマンション内に集積場があり業者が一気に回収したり、管理人さんがまとめてゴミ出しをする事がほとんどです。また、アパートなどでも鍵付きのダストボックスが設置されていたりしますから、回収そのものが厳しくなっています。

企業など団体の場合

相手が企業や何らかの組織・団体の場合、ただのゴミでも回収は簡単ではありません。

企業や団体に対してガーボロジーを行う際は、ゴミ回収業者やゴミの焼却業者にスパイを送り込んだり、ゴミ収集業者に接触してゴミを回収したりします。

・・・なんていうのは、ドラマや映画の中だけのお話です。(笑)

企業や組織を相手にガーボロジーが必要な場合、その多くは探偵が解決できる範囲を超えています。

近年は、探偵も頻繁にはガーボロジーは行いません。他に、有益な情報を取る方法はたくさんあるので、ゴミ漁りは最後の最後、奥の手の最終手段です。

今でも積極的にガーボロジーをしているのは、なりふり構わずに突き進んでしまいがちな経験が浅めの探偵さんや、時代に流されず、昔ながらの手法を守り続けてる探偵さんの印象が強いです

どんなゴミを集める?

では、ガーボロジーではどのような情報の収集ができるでしょうか?

目的にもよりますが、探偵の目的は次のようなものです。

  • レシート
  • クレジットカードの明細
  • 電気代・水道代の明細
  • 郵便物
  • 個人情報の書かれた書類…など

探偵がガーボロジーを行う場合、ほとんどの場合、相手の名前を確認するためです。

慰謝料請求には、相手の名前が必要ですからね。

さらには、同居人の有無を確認する事も出来ます。

「ゴミ漁り」は気が引けますし、メンタル的にもキツかったりしますが、得られる情報にはそれだけの価値はあります。

ガーボロジーは合法?

「ゴミ漁りって、ドロボーでしょ?犯罪じゃないか!」と、思う方もいますよね。

でも、ゴミを持っていくこと自体は違法ではありません。

法律上はゴミに出した時点でそれに対しての所有権を失ってしまうので窃盗罪などは適用されません。

道に落ちているゴミを持って行ったところで誰にも何も言われませんよね。

ただし、中にお金など高価なものが入っている場合は要注意。これを届け出ないと、遺失物横領に問われてしまいます!

また、ストーカーが対象者の持ち物が欲しいからとゴミ漁りを繰り返す場合は、「つきまとい行為」としてストーカー規制法の規制対象になる可能性もあります。

【ストーカー行為とは?】8つの種類をわかりやすく解説

さらに、居住地域の自治体が定めている条例違反に該当する事もありますし、マンションやアパートの敷地内に入れば不法侵入となります。

ガーボロジーを防ぐには?

では、ガーボロジーされたく無い人はどうしたら良いのでしょうか?

対策として考えられるのは以下の通り。

  • 回収時間前にゴミを捨てない
  • 回収業者の収集員に直接渡す
  • 個人情報はプライバシー保護スタンプで消す
  • 個人情報はシュレッダーする
  • 書類を水でぐちゃぐちゃにしてから捨てる
  • ゴミ捨て場を警備する…など

個人情報や機密情報が含まれている書類を捨てる場合、プライバシー保護スタンプはおススメです。繋ぎ合わせれば読み取れてしまうシュレッダーやハサミよりも良いです。

探偵の最終手段はガーボロジー

いかがだったでしょうか?

ガーボロジーは昔から使われている調査方法の一つで、探偵やジャーナリストの調査にも採用されています!

また、様々な情報が得られるため「情報の宝庫」とも言われます。

ただ近年は、鳥よけネットに阻まれたカラスのように、ゴミ事情も変わって来ていて、ガーボロジーそのものも厳しくなってきています。

それ以前に、ガーボロジーをせずとも、必要な情報を得る手段は多々ありますので、ガーボロジーは最後の手段としている探偵社も多いです。

あのゴミにしか必要な情報がない!という場合には、ガーボロジーは有効な調査方法です。