自分がいじめられている、大事な家族がいじめに遭っている、という時、悔しさと怒りに襲われる人は少なくありません。
これまでと同じことをしていても明るい気持ちになれず、どうしても悩みがちな毎日が続いてしまいます。

いじめが命を奪ったと言うならなおさら。
今回は、いじめ調査とは何か、どんなことをするのかなどいじめ調査を徹底的に解説致します!
目次
いじめ調査とは
いじめ調査とは、いじめの事実を確認するための方法です。
学校が行う調査、個人で行う調査、何人かで協力しながら行う調査などさまざまですが、一般的には探偵など専門業者を使って調査する方法のことを指します。
そもそも「いじめ」の定義とは
そもそも「いじめ」とは、どんな行動を指すのかご存知でしょうか。人による主観的な判断であると思われがちではありますが、実はきちんと定義がなされています。
いじめの定義
いじめは、2013年に制定された「いじめ防止対策推進法」の中で具体的な定義が行われています。
いじめとは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍しているなど当該児童生徒と一定の人的関係のあるほかの児童生徒が行う心理的または物理的な影響を与える行為」のことです。
文科省による文書には、「児童生徒に対するもの」と明記されています。
しかし、いじめは子どもたちだけをターゲットととするものではありません。
大人同士や、子どもから大人に対するいじめも存在すると言われています。

神戸の小学校で起きた教員同士のいじめは世間に衝撃を与えましたね…
いじめが人にどのように影響するのか
いじめが人に与える影響は大きく、特に人とのコミュニケーションを取る上で重大な問題になるケースが多く見られます。
「人にいじめられるのが怖い」「嫌われたくない」と思うことで、自分の殻に閉じこもるようになり、本音や弱音を言えず、孤立してしまいます。
また、必要以上に人の顔色を伺う癖がついたり、自分がいじめられまいとするあまり人に対して攻撃的になったり、症状は人により千差万別です。
場合によっては自傷や自殺に発展することもあり、いじめが個人の尊厳を大きく侵害することが分かります。
学校でのいじめ
いじめが多く行われる場所として、学校が挙げられます。思春期の子どもが中心となる場所なので、ちょっとの勘違いや個性の差が大きないじめに繋がることもあります。
学校いじめのサイン(前兆)
きっかけは、持っているものが気に入らない、周りと違った行動をしている、以前の喧嘩がまだくすぶっているなど、一見些細なものが多いものです。
しかし、その些細な違和感が大きなズレに発展し、友達集団から疎外するようないじめに発展してしまうこともあるでしょう。
子どもが学校に行きたがらない、食欲や元気がない、友達の話をしようとしない、といったサインが現れます。場合によっては、筆箱や上履きを頻繁になくす(汚す)、頭痛や腹痛を訴えるのに病院では原因が見つからない、というサインがあれば要注意です。
学校いじめの対策
学校・PTA・教育委員会に相談するなど、自分1人で解決しないようにするのがポイントです。
個人的にいじめの相手を見つけて子どもに注意したり家におしかけたりすると、家庭同士のトラブルに発展するリスクがあります。
逆に、いじめを受けている側がストーカーや嫌がらせの疑いを向けられることもあります。
無理して学校に行かせず本人の希望を尊重したり、引っ越しや転校をしたりして環境を変える方法もあります。
【親でもできるいじめ対策】いじめから子供を守るために親ができる事とは?
職場でのいじめ
職場でいじめに遭う場合、仕事のためと割り切っていても毎日の出勤が辛くなってくるものです。
ストレスを抱えすぎて精神を病む危険性もありますので、早めの対策が肝心です。
職場いじめのサイン(前兆)
対立している人の味方についた、昇進や昇給を邪魔された、など直接的な被害を受けていじめに発展するケースもあれば、なんとなくコミュニケーションが取りづらい、気の利いた動きをしてくれない、などやり取りに難を感じていじめに発展するケースもあります。
自分だけ会議から外される、必要な情報が回ってこない、明らかに不当な人事評価を下されるなど、仕事を進める上で問題になるようなレベルであれば要注意です。

明らかに不当な人事などは、労働基準監督署へ駆け込むのも手です。
職場いじめの対策
いじめをしているであろう人よりも更に上席の人に相談したり、職場のコンプライアンス委員会に相談したりするのがよいでしょう。
場合によっては地域の労働基準監督署に相談するのも1つの手ですが、明らかに法律違反をしていない限り動いてくれないのも現状です。
どうしても解決しない場合、思い切って転職するのもよいでしょう。
明らかないじめの証拠があれば、会社を訴えて慰謝料を取ることもできるので、転職の前にぜひ弁護士・探偵にご相談ください!
ママ友いじめ
子どもの学校・習い事・スポーツクラブなどに共に所属するママ同士の間で、いじめが起きることもあります。
子どものためを思って我慢してしまう人が多いのも特徴です。
ママ友いじめのサイン(前兆)
他のママと明らかにタイプの違う行動・言動をしている、自分に持っていないものを持っていて羨ましいなど、比較や劣等感を主体としていじめが起きるケースが大半です。

人間は嫉妬の塊ですからね…
食事会に誘ってもらえない、周りとは違う情報が渡される、PTAの雑用を押し付けられるなど、場合によっては子どもまで巻き込んだいじめが行われることもあります。
ママ友いじめの対策
関係している教師や習い事の先生・トレーナーに相談したりするのがよいでしょう。
場合によっては習い事の時間枠を変えたりチームを変更してくれたりすることもあります。
または、中立の立場にある他のママ友に相談するのもおすすめです。
子どもの予定を変えてしまう恐れもあるためどうしても引け目を感じてしまいますが、ストレスが溜まりすぎるようであれば、無理をしないようしましょう。
いじめられていると感じたら?
自分や家族がいじめられていると感じたら、どこに相談すればよいのでしょうか。
考えられる相談先について、1つずつ検討していきましょう。
身近な人に相談する
配偶者、ママ友やパパ友、実家の両親、兄弟姉妹、地域の知り合いなど、身近な人に相談する方法です。最も頼りやすく、自分の味方をしてくれそうな人が見つかりやすい方法でもあります。
できること
悔しい気持ちや悲しい思いを吐き出しやすく、気持ちに寄り添って聞いてくれる人が居れば相談すると良いでしょう。
ちょっと愚痴を言うだけでもすっきりできる時や、人に共感してもらいたい時におすすめです。
できないこと
具体的な解決を図るのは難しく、あくまでも共感やアドバイスのみ得られることを理解しておきましょう。
あまり期待しすぎてしまうと、人間関係を壊してしまうかもしれません。
相談する相手によっては意見が偏ったり却って逆効果になったりすることもあり、話す人は慎重に選ぶ必要があります。
いじめ相談窓口に相談する
行政やNPO団体が運営しているいじめ相談窓口に連絡し、話を聞いてもらう方法です。
なかには24時間営業や土日祝日も稼働しているところもあり、思い立った時にすぐ行動に移せます。
できること
適切な相談窓口を案内してもらうことができます。
学校でのいじめであれば校長や教育委員会、職場でのいじめであればユニオンや労働基準監督署など、ケースバイケースで話を聞いてもらえます。
できないこと
当事者同士の間に立って仲介するような取り組みはしてくれません。
あくまでも相談のみであるため、注意が必要です。
結果として自分で行動を起こさなければいけないため、「どこに相談すればいいか分からない」という時に活用するのがベストです。
警察に相談する
公的機関でもある警察に相談する方法です。「警察に相談した」というだけで相手に大きなプレッシャーを与えられる効果もあります。
できること
いじめによる物品の盗難・破損や、殴る蹴るといった物理的な暴力、公衆の面前における暴言や嫌がらせなど、誰の目から見ても明らかな損害に対し被害届を提出できます。
最寄りの交番で作成することもでき、恐喝・暴行・器物損害・障害などの罪に問えるケースもあります。
できないこと
明らかな損害があると証明できない場合、被害届を提出できないことがあります。また、犯人捜しを手伝ってくれるとも限らず、相手がやったという証拠がない場合やSNS上での書き込みなど犯人が特定しづらい場合、被害届を出してもいじめそのものが止むとは限りません。
弁護士に相談する
法律の専門家に相談する方法です。
できること
弁護士は、
- 法的な解決策を提示してくれる
- いじめではなく犯罪として対応してくれる
- 加害者や学校と交渉してくれる
- 加害者及び学校の民事責任を追求できる
- 対応がない訴訟して学校を動かす
といった法律のスペシャリストとしての対応をしてくれます。
できないこと
ただし、探偵は証拠がなければ何もできません。
実際にいじめがあったのか、どの程度なのか、誰がやったのかなど実際の調査を行うことはできません。

あくまで法律家としての対応しかできないのです。
探偵に相談する
探偵を雇い、いじめ調査をしてもらう方法です。
できること
いじめの事実を調査し、証拠として残したい時に大きな力になってくれます。
相談内容にもよって調査方法は変わりますが、さまざまな方法を駆使していじめの主犯やいじめ内容を調査できます。
できないこと
一般家庭の中に盗聴器を仕込んだり、会社のロッカーやバックルームに無断で入って調査したりすることはできません。
探偵が調査できる場所や内容にも制限があるため、事前に相談しておくのがよいでしょう。
また、代理人として間に立って当事者同士の交渉に関与することもできません。
いじめ調査の方法
尾行・録音・録画・写真撮影・張り込み・聞き込みなど、ノウハウを生かして調査します。
いじめの事実を確認したい場合にも、いじめの瞬間を決定的な証拠として残しておきたい場合にも依頼することができます。
豊富な人員や機材を活用して調査してくれるのが特徴です。
また、いじめそのものだけではなく、いじめを行っている子どもの親や教職員について調べ、「いじめを知っていたか」を調査することも可能です。
いじめ調査の具体例
では実際のいじめ調査として、どんなことが行われているのでしょうか。いくつか具体例を紹介します。
学校
下校途中や近隣の公園を観察し、いじめに当たる発言や行動を証拠に残します。
暴力や暴言はもちろん、飲食費のたかり、無理難題の要求など、さまざまなシーンを調査します。
職場
聞き込み・内部調査を中心に、職場内で起きているいじめを明らかにしていきます。
また、嫌がらせが誰からされているのか分からない場合の突き止め方や、慰謝料請求・会社都合退職の要求をするうえで必要な材料を相談することも可能です。
ママ友
聞き込みや張り込みを行い、いじめの事実を調べます。
場合によっては郵便ポスト・ごみ収集場・車庫にある車や自転車に嫌がらせをされるケースもあり、張り込みをして証拠を残すことで罪に問えることもあるでしょう。
いじめ調査の費用
いじめ調査にかかる費用は、探偵事務所ごとの違いや、要する人員・機材・期間にもよって異なります。
10~40万円程度の幅に収まるのが一般的ですが、いじめの主犯が特定できているかどうか、どれくらいの証拠を集めたいかによって多少前後します。
事前に細かく相談しながら見積もりを立ててもらうのがよいでしょう。
「いじめ探偵」こと阿部泰尚とは?
「いじめ探偵」の異名を持つ阿部泰尚は、日本ではじめていじめ調査を行った探偵として知られています。
当時主流でなかったICレコーダーを使った調査などに積極的に取り組み、いじめに悩む多くの方から相談を受けました。
いじめの証拠を集めるだけでなく、当人の心の傷や心配事に寄り添い、気持ちに配慮しながら寄り添い、解決への道筋を立てていきます。
いじめに関する調査や手続きは、専門家の力を借りよう!
いじめに関する調査や手続きをする際は、専門知識を持っている人を頼るのがベストです。
感情的になって動くことで却って自分の立場を危うくすることもありますから、まずは冷静に準備していきましょう!